レストランは子どもの学びの場

レストランに食事に行くという体験は、もちろん子どもにとっては楽しいことでもあり、親にとっても子どもに生きていく上での様々なスキルを教える良いチャンスでもあります。 まず、親が年齢毎の子どもの特性を理解してそれに対応する必要があります。特に学齢前のこどもは疲れてくると言うことをきかなくなり扱うのがむずかしくなるので、その点を考慮される必要があります。

あなたは、メニューを選ぶとき、子どもの好きそうなものを親として選んでいますか?それとも子どもに選ばせていますか?また、子どもが選んだものが食べてほしくないものの場合はどうしていますか?。

まずは、どんなメニューがあるかを親がわかる範囲で説明をしてあげてください。そして子どもの質問と答えのやりとりをして自分が食べたいと子どもが思うものを納得して決めるチャンスを作ってあげることが大切です。子どもが幼いうちはとても根気がいり、時間がかかる作業ですが、このプロセスにきちんとつきあってあげることは後に、その子が一人で何かを選ばないといけないときの練習になります。そして将来、自分の進路やパートナーや大事な意思決定をするときに使う脳の回路を鍛えていることにもなるのです。

「自分で決めることに自信がない」というクライエントの問題の根源を探っていくと、食べるものや着るものなど、ささいなことまで親が選んで自分で選ばせてもらえなかったとか、自分の選択にけちをつけられ続けた、というトラウマに行き当たることも多いのです。

料理のイメージを浮かべてメニューを選択する子は早く決められますが、料理の味を感じながら選ぶ子は時間がかかります。しかし、多くの親はそのことを理解しないので、「何で決められないの」とついイライラしてせかしたりしてしまいがち。 それで、子どもにとっては物を選ぶ体験が不快なものになり、面倒になって「みんなと同じでいい」「お母さんが決めて」などとなり、本当に自分が欲しいものがわからなくなってしまいます。こんなところにも自分の好みがわからない、欲しいものがわからないという原因が発生していることがしばしばあります。

また子どもがメニュー選びに失敗することもあるでしょう。自分で選んだものが好みではなかったり、おいしくなかったり。しかし、それでも得るものは多くあります。「この選択は自分にとって好ましくなかった、こういう部分が気に入らなかった、次はどうしたら自分の好みに合うものが選べるか」を考えるチャンスになります。そのためには、親が子どものがっかりしてくやしい気持ちを理解し、共感してあげることで、子どもは失敗に向き合う勇気を持てるものです。

子どもの気持ちが落ち着いたら、何がどう良くなかったのかを一緒に考えてあげましょう。子どもは「他の人に相談すれば何か参考になる知恵を借りることができる」という希望を持つことができるようになり、自分の失敗をどのように対処したら良いかを学び、失望や失敗の乗り越え方を学ぶことになります。

子どもは、説明をされる、自分の好みに関心を寄せてもらい尋ねてもらえる、決めるまで見守られる、失敗を乗り越える手伝いをされる、といったプロセスを通じて「自分は大事な存在なんだ」という自尊心が持て、「自分で決めることができる」という自信もできていくのです。