「ほめて育てる」に満足していませんか?
もしあなたの子どもが98点のテストを持って帰ってきたらどうされますか?
そう尋ねると多くの方は
「『すごいじゃないか!』、『よくやったね!』、『がんばったじゃないか』とほめますよ。」
とお答えになります。
「何であと2点取れなかったんだ」という人もいるかもしれません。
でもそれは誰の気持ちでしょう?誰の評価でしょう?
そしてこのテスト結果は誰のものでしょう?
その子はどんな気持ちでこの結果を受け止め、どんな気持ちで
親に見せに来たのでしょう?
その答えは、そこの子がどんな表情をして、どんな言い方でそれを伝えたか、
普段どんな風に勉強にとりくんでいたか、にあるのです。
その子がうれしそうに誇らしそうに持って来たら
「うれしそうだね」「がんばってるのをみてたよ、よかったね」
と喜びや満足感や誇らしい気持ちを分かち合ってください。
もし、がっかりとした様子で持って来たら
「どうしたの?」「満足していないの?」
とその理由や気持ちを尋ねてあげてください。
そして、その悔しさやがっかりの原因や気持ちを分かち合って
あげてください。
いまの時代は「ほめて育てる」が流行っているようですが、
単に「成果」や「結果」を
ほめちぎるだけでは、その子が
さらに成長するために必要な本当の自信につながりません。
「成果」や「結果」だけではなく、ふだんから自分自身に
関心を向けられて育つと、自尊心が育ちます。
「成果」や「結果」の評価をされるばかりではなく、
「成果」や「結果」に対する自分の気持ちに寄り添われて
育つと、主体性が育ちます。
そして、外からの評価がないと動けない人間ではなく、
自分の中からのモチベーションで動き、たとえ失敗しても
そこから学びを得て成長する子に育つのです。
このことは、子育てだけでなく、あらゆる人間関係についても
言えることです。
会社のなかでの上司と部下の関係も、家庭のなかでの夫婦の関係も。