きょうだいができると、なぜ子どもは変わるのか

子どもはすごく自己中心的にものごとを考えるものです。

たとえば、「お父さんとお母さんは、自分が本当に大事な愛すべき存在だったらほかの子をつくらない」と思っています。ですから、自分の下に弟や妹が生まれると「自分はそれほど大事に思われていないんだ」と思い、自分が要らない存在になったような気がしたり、何か足りない人間になったような気持ちになったりしがちです。

もちろん、下の子を作ってはいけないということでありません。
でも、下の子が生まれる前にどのように上の子にかかわるかが大事であり、産まれた後も特別な配慮が必要です。

ある方にこのお話をしたときに、
「そういえば、長男は妹が生まれてから元気がないし、『どうせ僕なんかいらないんでしょう』と言ったので、変なことを言うと思い、『おかしなことを言うんじゃない、お前は大事なのは当り前じゃないか』と叱った」
と言われました。

親族ではじめて女の子が生まれて、ご家族は大喜び。おじいさんも、おばあさんも、当の夫婦以上に大喜びされたそうです。かわいそうにご長男は、それまで自分だけに集まっていた愛情や関心が、妹が誕生することによって失われて、本当に自分はいらない存在になったように感じたのでした。

私たちとのお話のあと、このお父さんは初めて長男の気持ちに気づかれて、かわいそうなことをしたと反省されました。そして、ご長男の複雑な気持を理解してあげることでご長男は元気になったそうです。

子どもは自分への関心が向けられることで“自分は大事な存在”だと感じているので、それまですべて自分に向けられていたまわりの人の関心が、ある日を境に急に別の子どもに向けられたら何が起こったか理解できず、どのように振舞っていいかもわからず、動揺してしまうのです。

下に子どもが生まれて、上の子がわがままになった、赤ちゃん返りした、暗くなった・・またはよくお手伝いをするようになった。

そんな変化がみられるとき、それは自分の存在が脅かされた、自分の価値がなくなったかのようなショックと混乱の結果起こっているのだということをわかってあげてください。
自分の存在のアピールのために、子どもは良い子を演じざるを得ないのです。

次の子どもができることがわかったら、上の子にこんなふうに話してあげましょう
・(子どもの年齢によっては)あなたと同じようにお母さんとお父さんの間にできる子どもをあなたのきょうだいっていうんだよ
・お父さんとお母さんはあなたが生まれてとっても幸せだから、もうひとり子どもをつくることにしたんだよ
・きょうだいがいるとあなたが一緒に遊べて楽しいし、助け合ったりできるからきょうだいを作ることにしたんだよ
・下の子が産まれてもお父さんとお母さんはあなたを愛しているし、あなたが大事な子だということには変わりないんだよ
・赤ちゃんは小さくてたくさんお世話をしてあげないといけないので、あなたと過ごす時間が今までのようにたくさんとれないけれど、赤ちゃんは寝ている時間がたくさんあるから、その間はあなたと一緒にいるからね

言葉だけではなく、行動も伴うことが大事です。
子どもは大人の言葉よりも実際の態度や行動をよくみています。言っていることとやっていることが違うと混乱します。

子どもに関心を向ける、気持ちに寄り添う。
このシンプルなことに気を付けてあげれば、赤ちゃんの誕生を一緒に喜べるようになるのです。

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