「キレる」は連鎖する

感情がうまく扱えなくて悩んでいる人の話を聴いていると、
多くの方に、幼少期に身近な人から理不尽に感情をぶつけられたり、
感情が爆発する人の様子を間近で見たり聞いたりした体験があります。
“被害者転じて加害者になる”というわけです。

なぜこのようなことが起こるのでしょうか。

子どもは脳の機能が発達途上なので、
大人が相手を責め立てる、ののしる、罵倒する、無視をする
といった感情表現をするのを見て育つと
圧倒され、混乱と恐怖でその状況を理解することができず
凍りついたようになります。
そして、自分に感情が湧き起こったらそうするものだと身体で覚えてしまいます。
このように身近な大人の感情表現は子どもにとってモデルになります。

また、子どもが自分の中で感情が生じたときには、
泣く、わめく、むくれる、物を投げる、たたく、蹴る・・・
といった子どもにできる唯一の方法で感情を表現します。
すると、親や周囲の大人たちに、
そこにある気持ちを受け止めてもらえないばかりか
「いけません!」「ダメな子ね」「悪い子」などと叱られてしまいます。

これらの体験を通して、子どもは無意識のうちに
“感情は怖いもの、いけないもの”
“感情を出すのは危険”と学習するのです。

感情は本来、自分の欲求を満たすための機能です。
危険から身を守ったり、自分に必要なものに近づくよう
行動を起こすエネルギーになります。
感情を表現しないようにしている人は
その感情がもつエネルギーを封じ込めるために多くのエネルギーを使い、
ますます心の余裕がなくなっていきます。

だから、ささいなことでイラつき、キレてしまいます。

キレたときは、幼少期に体験的に「学習」した感情表現をとってしまうのです。
「自分はあんな風になりたくない、したくない」と思っていることほど
恐怖や嫌悪感とともに記憶に強く刻まれている
ので、
とっさのときには反射的にしてしまうのです。

人が安心して気持ちをわかちあって心豊かな社会をつくるためには
大人が子どもの感情を適切に寄り添い共感し、気持ちをことばにすることを助けたり、
大人自身も自分の感情を適切に表現して、子どもの良きモデルになることが大切です。

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