過剰反応のスイッチはどこにある?

感情が暴走してキレやすい人は、
周囲の人にとっては、
突然、ささいなことでキレたり暴れたりする
わけのわからないモンスターのように感じるかもしれません。

しかし、やみくもに、のべつまくなしにどなったり、
四六時中、興奮して暴力的になったりする人はそうそういません。

たいていは感情が暴走する前に、その人にとって
心の安全感が奪われることが起こっている
のです。

実際は生死にかかわることではまったくないのですが、
当人にとってあたかも「生きるか死ぬか」と思えるほどのことが起こり、
興奮のスイッチが入るのです。

その人がキレるときは、どういうときか?
何に対してキレるのか?
を観察したり、後から振り返ってみてください。
人それぞれのパターンがあるはずです。

どういうことがスイッチになるかは、
人が育ってきた過程においてどんな体験をしてきたかによります。
幼い子どもは、親の関心や愛情や保護をもらえないと生きていけないので、
親が何に価値を置き、何を期待し、どう扱われるかによって
無意識のうちに自分の存在が受け入れられるための条件を学習していきます。
たとえば、
・何をしたとき、どんなときに、ほめられたか
・何をしたとき、どんなときに、ひどく叱られたり、はずかしめを受けたか
・何をしたとき、どんなときに注目されたり、関心を寄せられてきたか
こういったことの体験の積み重ねによって、
そ人のなかで“生きていていい、存在していい”ための条件が形成されていくのです。

多くの人が潜在的に抱いている“生きるための条件”は次のようなものではないでしょうか。
・失敗しない
・期待に沿う、役に立つ
・有能である、人より優れている
・誰からも好かれている
・良い子、良い人だと思われている
・人から認められる、評価される
学業がよくできたり、何かに秀でていたために、
成果や成績だけに注目されてきた人はその傾向が強くなります。

そして、大人になっても、
これらの条件が満たされなくなると感じたときに
様々な反応が起こります。

たいていの人の反応は“嫌な感じ”“不愉快”“少し不安”程度で
何とか常識的にふるまえるのですが、
脳の興奮をしずめる回路「情緒安定のシステム」がうまく育っていない人は、
すぐに「逃げるか戦うか」モードになり、

目の前の現実に過剰に反応して、不適切な言動をしてしまいます。

「死ねば!」とか「お前には生きる価値がない!」などという
極端な発想になるのは潜在的に自分の存在意義が脅かされているからです。

人が過剰に反応するときは、その人にしかわからない
事情や背景があるということを理解しておくと、
少し見方が変わるかもしれません。

その人が何を大事にしているかがわかり、
何に対して怒りのスイッチが入るかがわかってくると
できる範囲でそれを尊重してあげることもできます。
そうすることによって感情暴走の被害にあうことを防ぐことになります。

以上の話は、自分自身についてもそのまま置き換えることができます。
あなた自身が感情暴走を起こしやすい場合、
自分自身が何を大事にしているか、
何に対して怒りのスイッチが入りがちであるかをわかっていると、
感情が暴走する前に自分でそっとその場を去るようにしたり、
自分に共感することで暴走を防ぐことができます。

 

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