学ぶ喜びを育てよう
あるお母さんのお話です。
子どもに最新のスマホを買ってほしいと言われ、
「期末テストで平均○○点だったら買ってあげる」と約束しました。
その子は必死に勉強をしたけれど、ちょっとだけ点が足りなかったのです。
ひどく落ち込んでいる子どもの姿を見るのがつらく、
「あんなにがんばったのだから買ってあげてもいいのでは・・・、
でも、約束を反故にして甘やかすのは良くないし・・・」
と、葛藤し本当につらかったとのこと。
いったいその子の落ち込みは何に対するものでしょう?
スマホを手に入れたらあれもしたい、これもしたいと夢見ていたのに
それが叶わなかったことに対する失望落胆ではないでしょうか。
もし、テストで約束の点数が取れて大喜びをした場合、
その喜びはスマホを手に入れたことに対するものではないでしょうか。
成績は本来、どの程度学ぶことができたかを知る指標であり、
本人が達成感を味わうためのものです。
ほめられるためでも、何かを買ってもらうためのものでもありません。
自らの学びのために勉強をしていたら、
目標の点数に達しなくても
そこから得たものはゼロではないはずです。
がんばった自分を誇らしく思えるでしょう。
学びが足りなかった、結果がでなかった、
と悔しければ勉強の仕方を工夫しようと思うでしょう。
ご褒美が魅力的であればあるほど、焦点はご褒美に当てられ、
学ぶことの楽しみや自らの成長を味わう喜びが少なくなってしまいます。
また、ご褒美をちらつかせて勉強させられ続けると、
ご褒美がないと勉強するモチベーションがわかなくなるということが
しばしば起こります。
子どもの意欲や主体性は、
学びのプロセスや結果に対する本人の気持ちに寄り添い、
分かち合うことで育っていくものなのです。
「アメとムチ」による子育てには弊害があることをご存じですか?
くわしく知りたい方は、Web講座「愛着関係と心の発達講座」第2回
~コントロールモデルから共感と理解のモデルへ~
をご覧ください。