「内緒」が葛藤を産む

子どもに、「あなただけ特別だからね」とか、「・・には内緒だからね」
と言って何かをしたり、言ったりすることは日常的によくあるかもしれません。
しかし、幼い子どもにとって「使い分け」が生じることに気づいていますか。
そして、それは子どもにとってとても難しいことなのです。

子どもは「○○さんには内緒ね」と言われると、
その内緒を守るためにうそをつかないといけない状況に追い込まれます。
しかし、日頃から「うそをついてはいけません!」
「うそつきはうちの子じゃありません」などと
叱られたり、脅かされたりしていると、
“内緒の約束を守ること”と、“正直であること”との葛藤で苦しむことになります。
そして、「うそがばれたら、うそつきだと思われたらどうしよう」、
「そんな悪い子は見捨てられる、嫌われる・・・」
などと漠然とした不安や恐れを抱きながら生活することになります。

「あなただけ特別だからね」と言われた子にも、葛藤があります。
自分だけ特別扱いにされることはうれしいことなので、
特別に扱われるために大人が気に入るようにしなければと、
自分らしく生きにくくなります。
これらは大人が考えるより大きなストレスとなって子どもにのしかかってきます。

ここで挙げた例のように、幼少期からたくさんの内緒ごとや、
本音と建て前に大きな差がある環境で育つと、
言っていいこと・言ってはいけないこと、
していいこと・してはいけないことのルールがあいまいで、
混乱したり、間違えることを恐れて強いストレスを感じるようになります。

子どもは自分の限られた知識、体験、未熟な思考力で、
解釈をしたり、認識をしたりしているので、
いっぱい、いっぱいになって状況を誤解したり、
過剰反応を起こしがちです。
そして、張りつめた気持ちのなかで、ささいなことがトラウマとなり、
大人になってからも人間関係で苦労するようになる可能性があります。

何気なくしている大人の行為が
子どもを過度な混乱や不安に陥らせることもある
と、
心にとめておいてほしいと思います。

とはいえ、社会生活を営む上では、時と場合で言動を使い分けたり、
その場にふさわしくふるまったり、
相手を思いやるための“うそ”や“内緒”が必要なときもあります。
いわゆる「うそも方便」です。
そういった社会生活での術は、
子どもに説明をしながら、意識的に教えていく必要があります。

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