おちんちんを触る子ども
ある児童養護施設を見学したときのことです。
玄関に現れた4,5歳の子どもが自分のパンツの上から
ペニスを触っているのが目に入りました。
その子につきそっていた施設の職員が
「この子は人が来るといつも人前でおちんちんをいじって困るんです」
と言い、その子に
「ダメでしょ!そんな恥ずかしいことはしないの!」
と叱りましたが、子どもはやめようとしませんでした。
おそらく職員から「恥ずかしいことはしないの!」と繰り返し言われているこの子が、
知らないうちに“自分は恥ずかしい人間である”という
気持ちを植え付けられてしまっているのではないかと心配になりました。
人は誰でも、特に子どもは不安になると
自分の性器や特定の体の部位を触ったり、いじったりして
落ち着こうとするものです。
そうすることで、気持ちが安心するからなのです。
大人は自制心が働くので人前で性器に触れる人はめったにいません。
しかし、子どもは不安になると気づかないうちに
自分の性器に触れてそこから得られる快感によって、
気持ちをまぎらわすことがよくあります。
人前で性器をいじることは不適切ですが、
プライベートな空間でさえ行なっているのであれば、
自慰行為(マスターベーション)はごく自然な性的な行為です。
それなのに、幼少期に性器に触っていて叱られたり、辱められたりしたことが原因で、
自然で大切な自慰行為も汚らわしいもの、恥ずかしいものとして
後ろめたさや羞恥心に苦しむ人もたくさんいます。
「いやらしい、恥ずかしいことをしている」などと子どもを批判する前に
そのような行為の裏には不安があるということをわかってあげてください。
そして何が不安なのかを尋ねたり、考えてあげたりする必要があります。
理由がわかったら、「・・・で不安なんだね」というように共感してあげてください。
その上で、
「そのような行為は人前ですると、おかしいと思われたり、
嫌がられたりするから、やめようね」
とそっと言ってあげましょう。
そして、
「誰でも性器に触れるとだれでも気持ち良くなるけれど、
それは人には見えないトイレや自分のお部屋やベッドでするものだよ」
と、公の場ではいけないけれど、プライベートな空間でなら
しても良い行為なのだということを教えてあげましょう。
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