厳しい子育ての果てに・・・
泣いている赤ちゃんにどう対応するか。
すぐ抱き上げる方がいいのか、くせになるからしばらく泣かせておくほうがいいとか、いろいろな情報があります。
赤ちゃんが泣くのは、おなかがすいたり、おむつを替えてほしい時だけではありません。
何かにおびえ、こわくなったときにも大声で泣きます。
その時「こわかったのよね。お母さんがここにいるから大丈夫だよ」と、こわさに共感して接してもらえば、どんなに自分が不安になり、乱れることがあっても自分は見捨てられずに誰かが来てくれるという安心感を持つことができます。
でも、泣いてもわめいても、ベッドに寝かされたままでは、子どもはいつまでも安心感を得ることはできません。
恐怖や不安を受け止めてもらえる安心感。それは、こころの安全基地が育つためにとても大切なことなのです。
参考までに、厳しい子育てによる負の面についてお話しておきましょう。
ドイツの子育てはとても子どもに厳しいといわれています。子どもが泣いてもわめいてもそのまま。予定の時間が来たら親は立ち去ります。
その結果、少し極端かもしれませんが、ショックな話があります。
「Journal of psychohistory」(心理学史)という学術誌で、「ナチスドイツの残虐行為はドイツ人の親が子供にしていた行為とほぼ類似する」という論文がありました。子どものころから安心感がなく、心の安全基地が育たない育てられ方をしていたので、他人の痛みというものがわからない。だから、上司の命令とはいえあの残虐行為に至ってしまったのだ、ということなのです。
皆さんはどう考えますか。