大人げない、ひと。

「普段のあの人は、陽気で気さくな人なんです。
でも、いったんキレ始めると、もう・・・。
どっちが本当のあの人なのでしょうか?」 

これ、どういうことが起こっている可能性があると思いますか?

キレている最中は、当人は興奮しすぎていて
自分でもわけがわからなくなっているので、

後から、“自分は何か良くないことをしてしまった”
というぼんやりとした感覚や記憶はあっても、
何がきっかけで、自分がどんな状態になり、
誰に何を言ったのか、何をしたのかの
詳細を思い出せないことがしばしばあります。
中には、“自分の中にいるもう一人の自分がやってしまった”
という感覚の人もいます。
キレている自分がしたことに対する実感が乏しい場合も多いのです。

キレた人も興奮が冷めると、
何か悪いことをしたという感覚があり、
相手にやさしくしてみたり、ご機嫌取りをしてみたりする人もいるでしょう。

しかし、怒りをぶつけられた側は、
そのときの恐怖や怒りを抑え込んだままでいるので、
キレた人からの謝罪や反省の言葉もなく、
何事もなかったように接してこられると困惑します。
そして、またいつキレられるかわからない、と常に警戒してしまいます。

こんな風にして心の溝は深まる一方なのです。

キレて攻撃する“怖い人”も、
周りの人に気を遣う“いい人”も、
無邪気で楽しく“陽気な人”も
どれもその人のひとつの側面です。
誰もが光と影、陰と陽の両方の部分を持っています。
ただ情緒安定のシステムが育っていないと
その振れ幅が大きく、両方の面が極端に出てしまいます。

子どもなら、
無邪気に喜んでいるときも、笑っているときも、
怒っているときも、泣いているときも、すねているときも、
全部その子だと受け入れられるけれど、
大人がそれをすると “大人げない”と裁かれます。

“大人げない”ことをする人の多くは、
幼少期に自分の感情を自由に表現したり、
感情を適切に受け止めてもらえなかったために
自分の中で沸き起こる感情を上手に扱う脳の機能が
育っておらず、情緒の部分が子どものままなのです。

大人も子どもも、さまざまな感情を持ったひとりの人間なのです。
感情を切り離しては生きてゆけません。
同時に、人間は社会的な生き物なので
周囲の人とうまくやっていくために
この感情と上手につきあっていけるよう
心を育てていかなければなりません。
大人でも自分の感情と上手につきあえるよう
心を育てていくことは可能です。

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