自分の感情が苦手なあなたへ

“感情”にどんなイメージをもっていますか?
自分の“感情”はどんな存在ですか?

怒り、恐怖、恥、嫉妬など“不快感情”については
面倒なもの、やっかいなもの、なくしたいもの、知られたくないもの、
というイメージが強く、苦手な人が多いのではないでしょうか。

でも、苦手だからといって避けていると、
避けるからもっと苦手になる、
という悪循環に陥ってしまいがちです。

<感情の扱いが上手になるためにできること>

感情は、外からの刺激に対してからだで起こる反応です。
日頃から自分のからだの中で起こっているかすかな感覚、感触、違和感に
意識を向ける習慣をつけましょう。
この感覚は何かの感情が起こっているサインです。
そのサインに意識を向け、
それが何に対するどんな気持ちなのかを調べます。
自分でしっくりする答えをみつけてみましょう。

たとえば、
「○○さんに『・・・』と言われると
まるでバカにされているようで腹が立つ」
というように。

このプロセスを繰り返すことで
自分の快、不快のスイッチがどんなことにあるのかわかるようになり
自分のことをより深く理解できるようになります。

さらに、身体の感覚に敏感になってくると、
不快感情(身体の中の違和感や興奮や不快感など)がどんどん強くなり、
このままいったら感情が暴走、爆発してしまいそうだ、
ということに気づけるようになります。

感情がいったん暴走してしまうと理性のコントロールをはずれ、
するまいと思っていることをしてしまったり、
こうすればいいと頭でわかっていることもできなくなったりします。
ですから、暴走する前に気づくことがとても大切なのです。

そして暴走する前に気持ちの切り替えをしましょう。

もし、だれかとの会話の最中ならば
「少し混乱してきたので(煮詰まってきたので)
頭を切り替えて考えてみたいので時間をください」
「じっくり考えたいので、別の機会にまた話をさせてください」
などと相手にお断りをして、
その場を離れてからだの状態を変えることも効果的です。

歩いたり、軽く体をゆすったり、お茶を飲んだり、外の景色を眺めたり、
ゆったりとした呼吸に意識を向けたりしてからだの状態を変えると
頭がクールダウンでき仕切り直しができます。

EQ(感情指数)が高いと言われている人は
自分の身体で起こる感情に気がついて、気持ちの切り替えのできている人です。

自分が何かに大きく反応した場合や、
類似した状況で繰り返し感情がゆさぶられるような場合は
誰かに話を聴いてもらうことは大きな助けになります。
この場合誰でもいいのではなく、共感的に話を聴くことのできる第三者や専門家であることが大事です。

共感的な第三者や専門家に
批判も裁きもされず、
解釈もアドバイスもされず、
否定も肯定もされず、
ただ共感的に気持ちに寄りそい、話を聴いてもらえると
私たちは落ち着きを取り戻すことができるのです。
時には自分が動揺した原因が深いところにあることに気づき
自分を癒すこともできます。

自分が誰かから共感される体験を繰り返し、
自分でも自分の気持ちがわかるようになってくると、
他人の中で起こっていることも落ち着いて観察できるようになり、
自然に他人の感情に巻き込まれにくくなります。

感情について深く知り、学びたい方のために InnerCore9では、心理学博士・田中万里子のセミナーを開催しています。
自分の感情とのつきあい方を学びたい、 一般的な感情について理解を深めたい方には
「共感力講座・基礎編」
子どもの感情に大人がどうかかわればよいかを学びたい方には
「愛着関係と心の発達講座」
をお勧めします。