3.11の記憶の引き金

最近の街の風景:
歩く人のほとんどがマスクをしている。
スーパーの棚の一部が空になる。
空港も観光地も行楽地も人が減って閑散としている。
移動が自由にできない。
テレビでは毎日同じ話題、同じようなニュースの繰り返し。
人が集まること、楽しむことへの自粛ムード。
目に見えない、得体の知れないものにどう対処してよいのかわからない。
寒くなったり暖かくなったりしながら春に向かう季節感。

そう、この状況は2011年、東日本大震災後の日本とよく似ています。

人は過去に経験した衝撃的な体験と似た状況に置かれると、
無意識のうちに過去のそのときの感覚や体の状態が呼び戻されてしまいます。

特に震災を身近で体験された皆さんは、新型コロナウイルス騒動が始まってから、
漠然とした不安や閉塞感、無力感をお感じになっておられる方も多いのではないかと思います。

過去の災害時の圧倒された衝撃的な体験や、その後の長く先の見えない不安定な状況に
おかれていたときに「みんながたいへんなんだから」と抑圧したさまざまな感情をだれかと
分かち合ったり、適切に共感されたりして消化されることなく、未消化なままで時だけが
過ぎてしまい、環境が変わり何となく終わったように感じている方も多いと思います。
しかし、似た状況が起こったときにその時に抑圧した感覚や感情が潜在的に呼び戻されてしまいます。
そして、何となく体調がすぐれない、落ち着かない、何も手につかない、
といった症状に出てくることがあります。
そういうときは、不安な気持ちを誰かに話してみましょう。
「・・・のときの感じによく似ていて嫌な感じだね」「早く普通の生活に戻ってほしいよね」
などと話すことで気持ちが楽になり、違う視点を持てることもあります。

この時期、過剰に不安になっているとお感じの方は、
東日本大震災など、過去の自分の不安定な状態に引き戻されている可能性があることを心に留めてみてください。
苦しいときはいつもかかっているカウンセラーに相談してみるのもよいでしょう。