不安に気づこう、不安をみとめよう

新型コロナウイルス感染症の拡大で
みなさんも不安な思いをされていると思います。
またどこの国でも外出自粛要請、またはロックダウンが起こり
日常生活の自由が奪われ、不安をさらに増大させることになっています。

また、この状況がいつまで続くのか、さらにひどくなるのか、
先が読めないことも大きなストレスです。
人は終わりが見えていることなら我慢もできますが
終わりが見えないことへの我慢は長くは続きません。

さらに、今やっている我慢がどういう結果につながるのか?
本当に効果があるのか?意味があるのか?
確信が持ちにくいこともストレスの元です。
意味のあるがまんはできますが、
意味のないがまんは無力感、徒労感しか残りません。

こんな状況のもとでは不安を感じるのは当たり前のことです。
大切なことは、
自分の中で起こっているいら立ち、緊張や不安に気付き、
それを自分のために認めることです。
自分の感じていることをまず認めることで、
自分の中に落ち着きが少し戻ってきます。
それを怠ると妙にハイテンションになったり、
眠れないくらい過覚醒になったりすることが起こります。

自分が感じている不安や落ち着かない感じに気づいたら、
次に、その不安は今、目の前で起こっている状況に見合っているものか?
または想像やメディアにあおられて起こっているものか?
自分の勝手な空想なのか?
自分の中に入って調べることも大切です。

自分の現状を把握して
「今、自分は安心してよい」
「当面は何とかやっていける」
と思えるのならば、
自分を安心させてリラックスしてください。
すぐに対策をしないといけないくらい危険な状態ならば、
何を改善したら自分が少しでも安心を得られるかを考えてみてください。
そしてどんな小さなことでもいいので行動に移してみてください。

具体的に役に立つ行動を起こすことで
「この世界的規模の大混乱を前にしても、自分には何かできることがある」
という感触を持つことができます。

目の前の状況に対して、
何とかしなきゃ、でも何も手につかない、という葛藤や
もう自分では何もできない、どうしようもない、という無力感は
人の心を疲弊させ、憂うつにし
悪いことしか浮かばなくなるという悪循環を招きます。

ただ頭の中だけでぐるぐる回りしているようなら
安全の確保に留意しながら、散歩に出かけてみてください。
自然に触れてみてください。
木々は新芽を吹き、花が咲き始めています。
こんな大混乱の中でも自然はいつもと変わりなく営まれています。
春を感じて“自分は生きている”という感触を取り戻してください。

また、大事な人と連絡をとってみてください。
人とのつながりが、「ひとりじゃない、何とかなるかも」
という安心感を与えてくれます。